【漢方専門の薬剤師が解説】熱中症&夏バテ対策【おすすめの漢方薬3選】

【薬剤師が解説】熱中症&夏バテ対策【おすすめの漢方薬3選】

夏が近づいて暑くなってくると、冷たい飲み物をガブガブ飲みたくなります。そしてお腹が緩くて、やたらと眠いしだるい。これって夏バテかなぁ?

こういった症状でお困りの方に向けて記事を書いています。

目次

【漢方専門の薬剤師が解説】熱中症&夏バテ対策

【薬剤師が解説】熱中症&夏バテ対策【おすすめの漢方薬3選】

【熱中症&夏バテ対策】梅雨時期の冷たい飲み物の摂りすぎ注意

暑くなってくると、冷たい飲み物が飲みたくなりますよね。冷たい飲食を続けていると、胃腸機能が弱まり消化吸収力が落ちます。すると下痢をしたり、身体がだるくなったり、朝起きが悪くなったりなどの症状が現れます。

梅雨のこの時期、お腹を壊しやすい方が増えていたりしませんか?

原因は「内臓の冷え」にあります。

身体の外側は暑いのに、内側は冷えている。夏場は身体がこういった状態になりやすいのです。

【熱中症&夏バテ対策】おすすめの養生法を3つ紹介します

【熱中症&夏バテ対策】おすすめの養生法を3つ紹介します

【熱中症&夏バテ対策】おすすめの養生法3選

おすすめの養生法3選
  • 胃腸の負担を減らす
  • 寝る前にお風呂で少し発汗する
  • 運動する

胃腸の負担を減らす

胃腸の労り方6つ
  • 朝食を摂る
  • 温かい飲み物を飲む
  • よく噛んで、ゆっくり食べる
  • お腹いっぱい食べない
  • 夕飯控えめにする
  • 果物摂りすぎない

朝食を摂ると体温が上がります。ですが、朝からいきなり冷たい緑茶やコーヒーは胃腸にダメージを与えてしまいます。食欲がなければスープでもカフェオレでも良いので、温かい飲食を心がけてみて下さい。

知り合いの美容師さんが「暑いけど、アイスコーヒーよりホットコーヒー飲んだ時の方が身体の調子がいい」と言っておられました。これは気のせいではないと思います。

胃腸は湿気を嫌います。梅雨時期に冷たい飲み物は控えた方が良いですが、飲むなというのは無理があります。なので、温かい飲み物を摂る習慣をつけてみて下さい。胃腸への負担が減り、身体が楽になるはずです。

実践あるのみ。お試しくださいませ。

寝る前にお風呂で少し発汗する

個人的にものすごーくオススメです。睡眠の質が上がりますよ。少し熱めの湯で足湯だけでもOKです。体内にこもっていた熱を外に逃がすことができ、入眠しやすくなります。

ちなみに僕は夏になると非常に寝苦しくなり、足が火照って夜中に何度も起きます。この方法で夜中に起きなくなりました。マジです。

運動する

毎日少しでよいので運動しましょう。筋肉がつくし余分は水は汗を掻いて排泄できるし、メリットしかないです。僕は毎朝15分走っているのですが、もはや毎日やらないと気持ち悪くなるレベル。

筋力アップで熱中症のリスクを下げることができます。

【熱中症&夏バテ対策】おすすめな漢方薬3つ紹介します

【熱中症&夏バテ対策】有効な漢方薬3つ紹介しま

【熱中症&夏バテ対策】おすすめの漢方薬3選

おすすめの漢方薬3選
  • 藿香正気散(かっこうしょうきさん)
  • 五苓散(ごれいさん)
  • 人参湯(にんじんとう)

①藿香正気散(かっこうしょうきさん)

梅雨時期に発生しやすい下痢や胃腸炎のファーストチョイス。

ビールをキューッと飲みたいこの季節。屋上のビアガーデンでビールにおつまみ、夜風で身体を冷やした翌日「あああぁぁ飲みすぎた、、お腹が緩い…」となったら藿香正気散(かっこうしょうきさん)です。

日本では古来より、胃腸の働きを整えるためにネギや生姜などの薬味を利用してきました。刺し身のツマと添えられているシソの葉は食中毒の予防としても有名ですよね。

これらの薬味や香辛料は胃腸機能を活発にしてくれます。また、この薬方の主薬である藿香(かっこう)は体表面を温め、湿気を発散させてくれます。他にも胃の中にたまった水分を取り去る作用のある生薬などが含まれています。

胃腸の余分な水を除き、湿気を発散する。いやしかし、なんて良い薬なんだ。この処方を考えた昔の人は凄すぎますよね。これからの季節にきっとお役に立てると思いますので、ご利用下さいませ。

②五苓散(ごれいさん)

夏場の下痢、倦怠感、手足のしびれ、口が渇くのに小便が出ないという症状が現れることがあります。本来血中にあるべき栄養が、夏の暑さで脱水気味になり枯渇しているような状態ですね。

脱水への過渡期。熱中症の一歩手前の状態(水が偏在している)。この場合、五苓散が適応になります。「ノドが乾いて水をガブガブ飲んでいるのに小便が出ない」というのを目標に使ってみて下さい。梅雨時期〜夏場にこういった方、けっこう見かける気がします。

血中と膀胱に水分を引き込み、水の偏在を正す薬方です。ちなみに、五苓散は二日酔いにもけっこうおすすめです。

③人参湯(にんじんとう)

かんたんに言うと、お腹を温める漢方薬です。食少で顔色が悪く、お腹が冷たい。冷え性でよく下痢をする。こういった方に適した薬方です。

上記の藿香正気散や五苓散との鑑別点ですが、人参湯が合う人には身体の中に水がジャブジャブしていません。水の偏在が原因ではないということですね。

人参湯が合う人はもともと身体の内側が冷えているので内側を温めます。

ここで人参湯を紹介したのは、お腹を温めるということが人間にとっていかに大切かということをお伝えしたいと思ったからです。

腹中を温めることで末梢の血管流動性もよくなり、汗などの体温調整機能が正常に働きます。ちなみに、喘息や鼻炎がある方にもめちゃくちゃおすすめです。

人間の身体ってつくづく不思議なものですよね。暑くなってきた今の時期だからこそ、お腹を温めて快適な日常を過ごしていきたいものです。

【熱中症&夏バテ対策】まとめます

【熱中症&夏バテ対策】まとめます

【熱中症&夏バテ対策】まとめ

  • 胃腸を労る温かいものを摂る
  • 習慣をつける
  • 食べすぎない
  • お風呂に入って早く寝る
  • 運動する
  • 夏に使える漢方薬を知っておく

とうちゃん、温かいお茶って甘くておいしいね!

最近、娘に寝る前に温かいお茶を飲ませています。ゼリーやアイスが好きで、朝起きが最強に悪い娘。ですが、温飲を意識してここ数日の寝起きが良くなりました。

夏本番前の今だからこそ、胃腸を労る生活を心がけてみて下さい。それが結果、夏バテ予防にもつながると思います。

僕はもともと胃腸が弱くお腹を壊しやすいです。なので胃腸をもうひとりの自分だと思って、なるべく可愛がるようにしています笑。

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