漢方で「酒さ様皮膚炎」が改善した49歳女性の実例

漢方で「酒さ様皮膚炎」が改善した49歳女性の実例

暖房の効いてる部屋が苦手で、すぐ顔が赤くなってしまいます。病院もずいぶん通ったのですが…。

この記事では、漢方によって「酒さ様皮膚炎」が改善した実例を紹介します。

目次

酒さ様皮膚炎について、ご相談者の様子

酒さ様皮膚炎について、ご相談者の様子
相談者の様子
  • 年齢:49歳
  • 発症時期:1年と8カ月前
  • 症状:顔の両頬が寒暖差によって赤くなる
  • 体質:かなりの冷え症 手足が氷のように冷たい ここ1カ月ほど上半身の火照りが強く、ちょっと動くとのぼせて発汗しやすくなった 

今回ご紹介するのは、酒さ様皮膚炎でお悩みの49歳の女性です。

1年と8カ月前位から両側の頬が赤くなり、湿疹ができるようになったそうです。8カ月間ステロイド剤を使用し継続していたようですが、やめてから余計ひどくなったと仰られていました。瞼も浮腫んで腫れているように感じます。

酒さ様皮膚炎を漢方で改善する流れ

あなたの非結核性抗酸菌症(肺MAC症))改善に最適な漢方薬をさせていただきます!
漢方で改善するまでの流れ
  • 状況をヒアリングする
  • 漢方的な原因を伝える
  • 症状に最適な漢方を処方する

漢方相談で最も重視するのは問診です。悪化要因・寛解要因・体質的なことを細かくヒアリングします。

酒さ様皮膚炎の悪化要因をヒアリングする

特徴的なのは、暖房が苦手で、寒い場所から室内に行くと皮膚炎が余計に赤くなる、ということ。また、食事をした後やマスク着用していると症状が増悪する。

酒さ様皮膚炎の原因を伝える

悪化要因と体質的なところから、原因がハッキリ掴めました。これは、外因と内因の結びつきによって生じる「血管運動性症状」。

血管運動性症状は、血管運動の乱れによって起こります。

血管は通常、気温や気圧に合わせて(外因)その活動を変化させます。例えば、気温が低ければ血流を促すように働き、気温が高くなれば逆に血流を穏やかにするように、血管の状態を変化させます。

血管運動性症状は、これらの活動が順調に働かないために起こると考えます。気温や気圧の変化に対して血管活動が過剰に、または緩慢に反応してしまうということ。これらは患者さまの「内因」が関係してきます。

ご相談の患者さまは、冷えに対して血流がすぐに弱くなってしまう方の為(内因)、桂枝や乾姜などの温薬で体を温めることで、体内の血行促進を図ります。

つまり身体にアクセル(辛味)を入れて、血管を適度に刺激させてあげれば良いのです。

酒さ様皮膚炎を改善する為の漢方薬を選定する

この症状を改善させる為に重要な薬草は、桂枝。方剤は「桂枝湯」をベースとし、温薬が機能的に働くように配薬しました。

14日後、1ヵ月後とお薬をカウンセリングとともに継続して頂き、皮膚炎とともにホットフラッシュ症状も順調に改善に向かいました。そして約3か月でほぼ症状は消失しました。

今でも時々軽く頬が火照ったりと症状波が打つことがありますが、症状はコントロールできていると判断しております。

酒さ様皮膚炎を改善するには、その人に適した漢方薬を選定する必要がある

酒さ様皮膚炎を改善するには、その人に適した漢方薬を選定する必要がある

病院で漢方薬を処方され、梔子柏皮湯、消風散を服用したが効果は感じられなかったようです。おそらく病院の先生は皮膚の熱を去ろうとしたのだと思います。こういった情報も大事で、これなら遠慮なく方向性を切り返せます。

「効かないやり方は捨てる」ことも大切です。

「寒熱」を見極めて漢方薬をお出しすることはあります。しかし、江戸時代の漢方医の先生方が実践してこられた「寒熱を問わない手法」。この手法は、確かに現代の病症に通用します。

相談者さまは細く華奢な女性で、とても明るいご性格で、でも少し頑張り過ぎな一面もありました。もともと食養生や筋肉トレーニングを徹底しており、少しアクセルを緩めると良いですよ、ともお伝えしました。

ある日、患者さまがこのようなことを仰って下さいました。

市の大きなホールで、スタインウェイの大きなピアノでショパンを引いてこれたんです!!

と言って、大きなグランドピアノを引いているシーンを動画で見せてくださいました。ホールは空調が効いており、多少身体が熱くはなったものの、皮膚炎は悪化しなかったと。こういった前向きな活動ができるようになって、本当にうれしく思いました。

この仕事をしていて良かった…と思える瞬間です。

こういった患者さまに出会う度に思います。身体を治す力が備わっていたから、漢方薬が効いてくれたのだと。漢方はきっかけを与えてくれるけど、最終的に身体を治しているのは「患者ご自身の力」です。

だからいつも最後は患者さまご自身の力に、感謝しております。

良くなって下さり、本当にありがとうございました。

漢方薬は近年、ネットで簡単に手に入るようになりましたが、的確な処方をするためには専門的な知識、病態の見立てが必要です。

重要なのは、病態を東洋医学的にどう捉えるかです。

  1. 病因(なぜそうなったか)
  2. 病機(どこの機能が低下しているか)
  3. 治則(どうやって治せば良いか)
  4. 方剤(薬草をどのように使えば良いか)

私たち「漢方のハセガワ薬局」へご相談いただければ、あなたに最適な漢方薬をご提案いたします。症状にお悩みの方は、ぜひご相談ください。

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