【当帰(とうき)】漢方薬に含まれる生薬の効能【生薬解説】
目次
【当帰(とうき)】漢方薬に含まれる生薬の効能【生薬解説】
ポイント
活血止痛に優れる補血の重要薬。
「治血の薬と為すべからず」
「補血養血の薬と為すは抑々(そもそも)末(本質の枝葉)なり」
注意点
甘く潤腸作用があり、湿証、胃腸虚弱者には禁忌。
当帰の漢方的効能
補血作用
:滋潤性があり、特に心と肝の血を補う。(四物湯)活血調経・止痛作用
:①月経を調整(調経)し止痛する。血流をよくして子宮の発育を促す。子宮筋の痙攣や収縮を弛緩させる。(当帰芍薬散)②活血し寒邪を散じて、下半身及び四肢末梢に作用し血行をよくし、腹部や四肢を温め、疼痛を軽減する。(当帰四逆湯)浸透性緩下効果
:当帰は油を多く含むため、腸管内に水分を溜めて大便を軟らかくする。(潤腸湯)排膿・肉芽増殖促進効果
:化膿性炎症、潰瘍の治療に用いる。炎症による血流の鬱滞を除き、排膿を助け、傷口修復を促進する。
(千金内托散)(帰耆建中湯)
分類 | 補血薬 |
基源 | セリ科トウキの根 |
薬性 | 温性 |
用法 | 1,5〜5g |
注意点 | 甘く潤腸作用があり、湿証、胃腸虚弱者には禁忌 |
当帰が含まれる漢方処方薬
四物湯、当帰芍薬散、温経湯、逍遙散、抑肝散、帰脾湯、当帰建中湯、当帰四逆湯、赤小豆当帰散など
引用参考文献