【気象病】天気が悪い時にひどくなる頭痛・めまいを漢方で改善しよう

【気象病】天気が悪い時にひどくなる頭痛・めまいを漢方で改善する対処法

天気が悪くなると、頭痛やめまいがひどくなります・・・

こういった方のお悩みに向けて記事を書いています。

あきらめないで下さい!


今までこういった症状でお悩みの患者さまに対し、漢方薬をお出ししてきた経験から、漢方での対応は可能だと思います。

実際に症状が改善した実例はこちら

目次

【気象病】天気が悪いとひどくなる頭痛・めまいの原因を知ろう

【気象病】天気が悪いとひどくなる頭痛・めまいの原因を知ろう

実際の臨床に携わる中で、天気が悪いと悪化する頭痛・めまいの原因で圧倒的に多いと感じるのは「水」。漢方用語で「水毒」といいます。

水毒…身体に余分な水が溜まっている状態。「水の偏在」を指す。

天気が悪いとひどくなる頭痛・めまいの原因を可視化します

言わずもがな、人間の身体の中の70%は水で構成されています。身体にとって必要な水があるべき所にはいけておらず、不足している部分が共存している状態。

この水が

  • 内耳のリンパに張り出せばめまいになる。
  • 頭部に張り出せば頭痛になる。
  • 皮下に張り出せば浮腫みになる。

つまり、症状の原因は水の偏在が身体の中で起こっている可能性があります。

気圧が下がると山頂でポテトチップスの袋がパンパンになってしまうように、我々人間も血管も膨らむから血流も不安定になる。これを制御しようとして自律神経が頑張る。その結果、頭痛、めまいなど心身に不調が出るわけです。

そして、この症状は圧倒的に女性に多いという特徴があります。このへんに関しては後ほど解説していきます。

【気象病】天気が悪いとひどくなる頭痛・めまいに使用する漢方薬

【気象病】天気が悪いとひどくなる頭痛・めまいに使用する漢方薬

ここから紹介する薬方は全て「水の偏在」を是正する薬方となります。漢方薬の特徴として、身体の本来必要な場所に水を運び、不要なところから水を運び出す、こういった特徴があります。

天気が悪いと悪化する頭痛・めまいに使用する漢方薬3選

  • 五苓散
  • 茯苓沢瀉湯
  • 苓桂朮甘湯

私は実際に「天気が悪いと悪化する頭痛・めまい」ときたら、患者さまをみてこのへんの上記漢方薬を考えています。

問題は、患者さまのどこをどうみて上記の薬方を選択するか…です。

ポイントは、桂枝(シナモン)です。

漢方の古典、傷寒論に

太陽の病、之を下して後、其の気  上衝する者は、桂枝湯の方を与へて前の法を用ゆべし。若し上衝せざる者は、之を与うべからず。

と記載があります。

上に昇るはずの陽気の不足により発生する症状を、古人は「上衝」と表現しました。桂枝の入っている、桂枝湯を使えば上衝は良くなるよと。

桂枝の効能は「温陽」。カラダを温め陽気を補います。

つまり、桂枝の辛味で血管を刺激し、血流の安定を測ります。その為、桂枝の質や分量が重要になってきます。ココが我々漢方家の腕の見せ所ですね。

気象病は漢方の得意分野


こういった気象病は、漢方で対応可能だと感じています。

これらの病は耳(内耳)や頭部の疾患だけでなく、身体全体の乱れから発生していることが多くあります。特に自律神経の乱れといった西洋医学的に難しい病態を、東洋医学的にどう捉え、どう治療するか。

こちらは、実際にめまいが改善した症例になります。

【気象病】天気が悪いとひどくなる頭痛・めまいの予防策

【気象病】天気が悪いとひどくなる頭痛・めまいの予防策

ここからは普段の生活で心掛けてておくと良い方法をお知らせします。

天気が悪いと悪化する頭痛・めまいの養生法3選

  • 早く寝る
  • 冷たい飲食を取り過ぎず、タンパク質を摂る
  • 運動して筋肉をつける

僕はこれの3つに尽きると思っていて、順番に解説していきます。

①早く寝る

睡眠時間をしっかり確保しておくことで、身体の全身の機能を賦活させます。身体の中に必要な水を動かす動力は陽気(身体を温める力)。この陽気の回復には適度な食事と睡眠が不可欠です。

②冷たい飲食を取り過ぎず、タンパク質を摂る

冷えた飲食を身体に入れると胃腸機能が低下し、より「水の偏在」が起こりやすくなります。なるべく温かい飲食を心掛けましょう。

そしてタンパク質を摂ること。肉や魚、米は身体に必要な「血」を生み出しますので非常にオススメです。血の充足は水動かす原動力になります。

③運動して筋肉をつける

実は一番重要なのは、コレです。女性に圧倒的に多い気象病。原因は女性の「筋肉量」の少なさにあります。

筋肉は豊富に血と水を含み、熱産生を促す最大の器官。女性は男性に比べて、水の偏在が起こりやすい。原因は「筋肉量」の少なさにあると考えられます。

アスリートで筋肉質の方が気象病を発症する、というのは実はほとんど聞いたことがありません。

  • タンパク質を摂って、筋肉トレーニングを行うこと。
  • 毎日少しでもいいので運動すること。

つまり、筋肉とつけること。これらが気象病を防ぐ予防策として一番オススメな方法です。

今までの内容をまとめます

  • 気象病の原因は「水の偏在」の可能性がある
  • 気象病は漢方の得意分野
  • 気象病の予防は「筋肉」をつけること

以上になります。

めまいを一度でも起こした方は、あまりに突然のことに不安や恐怖感に駆られたことがあるのではないでしょうか。このままどうにかなってしまうんじゃないか…と。

そんなことはありません。悪天候時や気圧の変化で悪化するめまいや頭痛は、漢方でやってみる価値があるかと思います。

症状でお困りの方、ぜひ一度ご相談下さい。きっとお力になれることがあると思います。

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