漢方処方で更年期障害(夜間のホットフラッシュ)が改善した50歳女性の実例
2週間前から夜間にやたら汗を掻くようになり、それが原因で夜に何度も起きてしまいます…。
更年期障害は、精神的にも身体的に辛い症状です。なかでも、夜間のホットフラッシュは、不眠や日常生活へ悪影響をもたらすことがあり、苦労している女性はたくさんいます。
不調を自覚していても、うまく対処できずにストレスを溜め続けている方も多いでしょう。
実は、漢方処方が更年期障害の緩和に有効であるという実例があります。この記事では、漢方によって更年期障害が改善した実例を紹介します。
更年期障害でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
ホットフラッシュは漢方の得意分野です。
更年期障害(夜間のホットフラッシュ)のご相談者の様子
- 年齢:50歳
- 発症時期:2週間前
- 初期症状:夜間に大量の発汗
- 症状:発汗、不眠、頭痛、肩こり、だるさ
- 体質:冷え性だが、直近2週間の手足が温かい
今回ご紹介するのは、仕事熱心で家族想いの50歳女性です。ご家族と一緒に毎日素敵なお店作りに励んでいます。
彼女の作るお菓子はこだわりが詰まっていて絶品ですが、症状が続けば、大切なお仕事に支障が出ます。
自身とご家族のためにも改善したいとご相談をいただきました。
更年期障害(夜間のホットフラッシュ)を漢方で改善する流れ
- 状況をヒアリングする
- 漢方的な原因を伝える
- 症状に最適な漢方を処方する
漢方で更年期障害(夜間のホットフラッシュ)を改善するまでの流れを紹介します。相談者の様子を見極めて、最適な漢方を処方することが重要です。
更年期障害(夜間のホットフラッシュ)の状況をヒアリングする
更年期障害に伴う夜間のホットフラッシュは、女性の体におけるホルモン変動の一環です。漢方的な観点からメカニズムを探ってみることで、症状の理解と緩和に向けたアプローチを考えられます。
まず、ホットフラッシュを改善するためには、現在の月経状況を確認します。おもなヒアリング項目は下記の3つです。
- 月経の周期
- 月経の状況
- 過去の処方歴
今回の相談者にヒアリングをすると、1年ほど前から2ヶ月おきの周期になり、5ヶ月ほど前から停止していたとのこと。月経の停止によりホルモンバランスが乱れて、更年期障害を引き起こしています。
また、過去に使用した薬や漢方もお伺いします。同じ処方でも、年齢や体調によって効き目に差があるからです(もちろん、個人差もあります)。
相談者は桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)のエキス剤を飲んだことがあったそうです。
数年前に服薬したときは、のぼせるなど体調を崩したそうですが、月日が経過して再度服薬した際は、夜間のホットフラッシュ症状が出なかったようです。
更年期障害(夜間のホットフラッシュ)の原因を伝える
漢方的な視点による更年期障害の原因は、体内に残った古い血が熱を帯びることです。
前提として、血は温かいです。月経が停止すると、これまでは排出されていた「古血」が身体の中に残ってしまいます。
古血は徐々に熱を帯びてきます。古人はこの病態を「血熱」と呼んでいました。
ホットフラッシュは血熱を病態と考えています。症状の改善には加味逍遥散や温経湯を使用するのが一般的です。
古代中国の伝統的な医学で使用されてきた処方のひとつ。気の流れを調整し、体内の調和を保つ効果が期待されています。
寒冷や冷え性などの症状に対して使用される処方。体内の「寒気」を取り除き、体温を上昇させることで、気や血液の流れを促進し、身体の調和を取る効果が期待されています。
更年期障害の症状に適した漢方を処方する
症状によって推奨されている漢方は絞られますが、年齢や重症度によって個人差があります。相談者の症状や原因を加味したうえで、配薬することが重要です。
今回はヒアリング結果と、桂枝茯苓丸で実際に症状が治まっていることを根拠とし、桂枝湯をベースに配薬しました。
「血は陰に属す」。陰と相互関係にあたる「陽」。桂枝茯苓丸には「陰気」と「陽気」の双方を補う生薬が含まれているため、陰陽調和の剤である桂枝湯が最適と判断しました。
※桂枝湯(けいしとう)は桂枝茯苓丸の原型
今回の漢方薬を服用して約1週間後に様子をお伺いしたところ、1度も夜間のホットフラッシュは出なかったとのことです。
更年期障害(夜間のホットフラッシュ)の改善には桂枝湯が効果的!
今回の相談者の結果からも、更年期障害(夜間のホットフラッシュ)の改善には桂枝湯が効果的といえます。これまでにも桂枝湯をベースにした配薬によってホットフラッシュが改善した相談者をたくさんみてきました。
漢方のハセガワ薬局では、相談者の症状をヒアリングしたうえで配薬するため、自信があります。あなたの症状に最適な漢方をご紹介させていただきます。
更年期障害でお悩みの方は、お気軽にご相談・ご来店ください。
漢方薬は近年、ネットで簡単に手に入るようになりましたが、的確な処方をするためには専門的な知識、病態の見立てが必要です。
重要なのは、病態を東洋医学的にどう捉えるかです。
- 病因(なぜそうなったか)
- 病機(どこの機能が低下しているか)
- 治則(どうやって治せば良いか)
- 方剤(薬草をどのように使えば良いか)
私たち「漢方のハセガワ薬局」へご相談いただければ、あなたに最適な漢方薬をご提案いたします。症状にお悩みの方は、ぜひご相談ください。
薬には”苦い”イメージがありますが、可能なら美味しい薬で症状の緩和を図りたいと考えています。
私は師匠から「美味しい薬を作りなさい」と指導を受けてきました。薬は相性のよい人にとっては美味しく感じるとのこと。
桂枝湯はシナモンがきいて美味しいです。
今回の相談者は「おかげさまで楽になりました」のお礼と共に頂いたお菓子はシナモン入りのクッキーでした(笑)。
「効き目が早く味も良い」そんな薬を作れる漢方家で在りたいと思います。