漢方処方で「喉の違和感」が改善した72歳男性の実例
喉だけが乾燥しているような感じや、ザラザラしているような違和感があります…。
この記事では、漢方によって「喉の違和感」が改善した実例を紹介します。
喉の違和感について、ご相談者の様子
- 年齢:72歳
- 発症時期:1年と半年前
- 症状:喉だけが乾燥しているような感じや、ザラザラしているような違和感
- 体質:基本的に異常なし
喉の違和感を漢方で改善する流れ
- 状況をヒアリングする
- 漢方的な原因を伝える
- 症状に最適な漢方を処方する
現病歴
症状は1年半前からあり、喉だけが乾燥しているような感じがあり、ザラザラしているような感覚があるとのこと。特に朝、症状が明確に出る。食事をしたり、水を飲んだり、アズノールうがい液でうがいをするとスッキリして症状が緩和される。
この症状で耳鼻科にかかり、Bスポット治療を行い(28回)、どうしても辛くて治療を中断した。その後余計症状がひどくなったように感じた。
漢方薬(半夏厚朴湯、白虎加人参湯、人参湯)も半年以上飲んできたが効かなかった。
喉の違和感の悪化要因と寛解要因をヒアリングする
問診で一番重要なのはココです。
悪化要因:朝起きた時、症状を明確に感じる
寛解要因:アズノールうがい液を使ったり、水を飲むと楽になる
うがい液や水が粘膜に触れると楽になるようです。要は、この状態を漢方で作り出せば良いわけです。
喉の違和感の原因を伝える
喉の違和感の正体は、「喉の粘膜の乾燥」です。
Bスポット治療は、上咽頭に塩化亜鉛などの消炎剤を直接塗布・擦過する治療法。「喉の違和感」という症状には炎症が起きていないから、治療が辛くなり余計症状がひどくなったように感じました。
喉の違和感を改善する為の漢方を処方する
喉の粘膜が潤った状態を、漢方で作り出す。
選んだ方剤は、麦門冬湯。この方剤で局部(喉の粘膜)を潤してゆきます。
お薬をお出しして14日後。患者さまは薬局に来られませんでした。効かなかったかな…と思っていたら2日後に電話があり、
8割方良くなったから、何日か薬を飲まないでいたんだ。
と嬉しい報告を頂きました。もうしばらく続けてみる、ということで14日分お渡しして、また違和感を感じたら来てもらうようにお伝えしました。
喉の違和感を改善するには、その人に適した漢方薬を選定する必要がある
半夏厚朴湯、白虎加人参湯などの漢方薬もたくさん飲んできて、耳鼻科にも1年以上通ってこられた患者さま。
半夏厚朴湯は「梅核気」といって、喉の違和感に使われることもあります。しかし、半夏厚朴湯が合う方は胃内停水や咽頭部の筋肉の収縮が要因でないと、効果を発揮しません。
これは完全に病態の見立て違いが原因でした。患者さまの生活環境や、悪化要因、寛解要因をしっかりと確認し、その人その人に適した漢方薬を選定する必要があります。
何はともあれ、お困りの症状が改善に向かって本当に良かったです。
・
「森を見ずに、木を見ろ」
尊敬する先輩に教わった言葉です。「木を見て森を見ず」ということわざがありますよね。しかし、森を見過ぎると、かえって迷走してしまうことを今まで何度も経験してきました。
体質を見過ぎず、局部(喉の粘膜)を見る。これが重要です。
この方は70代という年齢ではあるけれど、舌もしっかりしていて食欲もあり、睡眠なども問題のない方でした。喉の粘膜以外には異常はなかったので、肺を潤す漢方薬一剤で改善できたというわけです。
治療の道筋の一本道。こられがシンプルであれば、お薬の効果も早いのです。
シンプルで美しい治療が行える、そんな漢方家で在りたいものです。
漢方のハセガワ薬局では、相談者の症状をヒアリングしたうえで配薬するため、自信があります。あなたの症状に最適な漢方をご紹介させていただきます。喉の違和感でお悩みの方は、お気軽にご相談・ご来店ください。
漢方薬は近年、ネットで簡単に手に入るようになりましたが、的確な処方をするためには専門的な知識、病態の見立てが必要です。
重要なのは、病態を東洋医学的にどう捉えるかです。
- 病因(なぜそうなったか)
- 病機(どこの機能が低下しているか)
- 治則(どうやって治せば良いか)
- 方剤(薬草をどのように使えば良いか)
私たち「漢方のハセガワ薬局」へご相談いただければ、あなたに最適な漢方薬をご提案いたします。症状にお悩みの方は、ぜひご相談ください。