漢方薬の服用でコロナ後遺症(頭痛、耳鳴り、不眠、倦怠感)が改善【48歳男性】
コロナに罹った後、頭痛、耳鳴り、倦怠感などの後遺症に悩んでいます。
この記事ではこういった症状でお悩みの方に漢方薬をお出しして、実際に改善できた内容を記載しています。
漢方薬の服用でコロナ後遺症(頭痛、耳鳴り、不眠、倦怠感)が改善【48歳男性】
相談者の方は48歳、男性。180cmの長身で、体格が良い。
奥様が薬局に相談に来られた。
旦那さまが4月にコロナ陽性となり肺炎で入院となったそう。
5月上旬には退院したが、頭痛、耳鳴り、不眠、倦怠感が継続している。奥様が話かけても受け答えがボーッとしており、なんだか返答もおかしいという。
咳症状もまだかなり残っており、たばこの煙などのちょっとした刺激で悪化してしまう。
これはさすがに・・・と心配になって相談に来て下さった。
病院では呉茱萸湯と人参養栄湯が処方されている。漢方薬は14日以上服用しているが、症状の改善は見られていない。
漢方薬でコロナ後遺症(頭痛、耳鳴り、不眠、倦怠感)を改善するには
ご本人に症状を詳しく伺うと、コロナ陽性となってから皮膚がかなり荒れたという(乾燥性の皮膚炎)。
また、やたら喉が渇くので常に枕元に飲み物を置いている。
寝付けず、小便もあまり出ていない(1日2~3回程度)。
これはどうみても、残存した邪熱が患者さまの身体を焼き続けている。
コロナ後遺症(頭痛、耳鳴り、不眠、倦怠感)の可視化
コロナウイルスという病邪と自身の正気が激しく戦争を起こし、強い邪実を生じたのだと推測した。
津液も邪熱によって枯渇している為、口渇があり咳が止まらない状態。この患者さまの体格はガッチリしており、正気が強い。なんとこの状態で仕事に行っていて、食欲も落ちていない。
亜急性期とみて柴胡剤も考えたが、この邪熱を止めるには「牛黄」が必要だと直感的に思った。
古典における牛黄の記述(名医雑録)
- 小児の百病、諸癇熱で口の開かぬ者、大人の狂癲を治す
治則は「清熱解毒+生津」
牛黄を100㎎、まず4日間服用してもらう。
4日後、まだ頭痛はあるがよく眠れるようになり、倦怠感もほとんど感じなくなってきた。もう3日分続けて服用後、症状の殆どは消失した。
会話の受け答えもはっきりしてきており、邪熱が去ったのだと思う。
まだ咳の調子は変わらないので、麦門冬湯で肺陰を補い経過を見ている。
牛黄の効果・効能について詳しい記事はこちら
漢方薬でコロナ後遺症への対応
原因がはっきりしていれば、漢方でコロナ後遺症にも対応できることが分かった。
感染症に罹った後に医療機関で治療後も症状が残ってしまい、お困りの方は多い。
こういった時に漢方という選択肢は良いのかな、と思う。
何はともあれ、症状が改善できてよかった。
コロナ感染→邪正相争→肺熱(肺炎)→邪熱残存・津液枯渇(頭痛、耳鳴り、不眠、倦怠感など現在の症状)