風邪を引いた後の「鼻声」を漢方薬で改善【59歳女性】
2週間前に鼻かぜを引きました。その後の鼻声が治らないんです。
この記事では、こういった症状でお悩みの方に漢方薬をお出しして、実際に改善できた内容を記載しています。
目次
風邪を引いた後の「鼻声」を漢方薬で改善を漢方薬で改善する
相談者は59歳の女性。
まず思ったのが、「感染症罹患後の鼻声なら、時間が経てば自然に治る」のではないかなと。
しかし、新型コロナウイルス感染症が蔓延する昨今。鼻声で仕事に出るのがちょっと微妙だということで、患者さまの強い希望により漢方で治療を行うことになりました。
風邪を引いた後の「鼻声」を、漢方的に可視化する
正直、かなり悩みました。一見、軽い症状ととれるこの病態を、どう可視化してどう治療すればよいのか?
葛根湯加川芎辛夷
越婢加朮湯
などの方剤が相談中にモヤモヤと候補に挙がったけれど、どうもピンとこない。
風邪を引いた後の「鼻声」。場所は鼻腔内であり、空気も直接触れている。この部分が感染症に罹患し、その後限定的に腫脹した。
ということは、漢方では「外証(表裏内外)」と考える。外界と体内の境目(半表半裏)には、柴胡が必要だ。そして排膿、清熱を促せば治るのでは?
荊防敗毒散という漢方薬で、風邪を引いた後の「鼻声」にアプローチする
皮膚病の名方といわれる荊防敗毒散。この処方が一番しっくりくる。柴胡、金銀花、連翹、桔梗で粘膜の修復を図る。
要は、皮膚病と同じように考えてみる。
そして1週間の服用にて、鼻声が治まったと患者さまからご連絡を頂いた。どうやら仕事にも支障なく過ごせている模様。
よかった~。
今回も何気にギリギリの勝負だった。引き出しを開けまくって何とか効果のあるお薬を出せたという感じ。まだまだだな~。
症状の軽重関係なく、これからも漢方で治せる人を確実に治していきたいですね。