漢方薬の服用で天気で悪化するめまいと吐き気が改善【59歳女性】
漢方薬の服用で天気で悪化するめまいと吐き気が改善【59歳女性】
- お困りの症状
めまいと吐き気 - 漢方薬を服用後の体調の変化
飲み出してすぐ吐き気がなくなりました。5日程経過した頃からめまいもずいぶん良くなってびっくりしています。
西洋薬がなぜ効かなかったのか、体の中で何がおこっているのか、ていねいな説明と問診をしていただき感謝しています。フォローのご連絡もいただいて、仕事に向き合う姿勢にこちらが安心をいただいています。これからもよろしくお願いします。
漢方薬で気象病(天気で悪化するめまいと吐き気)を改善する
相談者の方は、59歳女性。
お困りの症状は悪天候時に悪化するめまいと吐き気。
4月ごろに症状が発症し、毎年春先に調子を崩しやすい。
気象病(天候や気圧の変化で悪化する症状)なのは間違いなさそうだ。
気になったのは胃の不調。逆流性食道炎の既往歴があり、2年前から時々胃酸が上がってくるような感じや、吐き気などの症状が出るようになった。
ただ食欲はあり、むしろ食べ過ぎてしまう。
そして定期的に6kmのランニング、プールで運動もしている。
これは比較的「改善しやすい」と思った。
漢方の古典からこの病態をひも解く
【金匱要略/痰飲咳嗽病篇】
痰飲を病むもの、温薬をもって和すべし
【金匱要略/嘔吐噦下利病篇】
胃反,吐して渇し,水を飲まんと欲する者,茯苓澤瀉湯主之
胃反・・・食べたものが消化されないで、そのまま吐く(宿穀化せざる)
古人は病人を観察し、この病態を改善する手法を編み出した。
この病態を改善するための治則は
温薬で温め血行を促し、内耳に張り出す「水」を捌き、胃腸機能を賦活する。
お薬は14日分、お出しした。
その7日後に煎じ薬の味を確認するのにお電話したところ、吐き気はほぼなくなりめまいはスケール10→2ぐらいにまで落ち着いたとの事。
そして14日後、めまいと吐き気の症状はほぼ消失したことを確認。
気象病(天気で悪化するめまい)の可視化
着目すべきは「水の偏在」。この水が
- 内耳に張り出せばめまいになる
- 頭部に張り出せば頭痛になる
- 気管支に張り出せば咳になる
気象病は漢方家として抑えるべき基本的な病態。
師曰く、腕の良い漢方家は身体の中の「水」の処理が上手いのだという。
なぜなら人間の70%は水だから。
こういった当たり前のことに着目し、身体を整える。漢方にはその力があるのだと実感しています。
それから生活養生として、運動して筋力を刺激すること、冷たい飲食を控えること、よく眠ること。
実はこのへんも大切です。
気象病に対する詳しい内容はこちらの記事をどうぞ。
何はともあれ、症状が改善できてよかった。
漢方薬を飲み出してすぐ吐き気がなくなりました。5日程経過した頃からめまいもずいぶん良くなってびっくりしています。