漢方薬の服用で五十肩(肩の痛み)が改善【54歳女性】
この記事では、こういった症状でお困りの方に漢方薬をお出しして、改善できた内容を記載しています。
漢方薬の服用で五十肩(肩の痛み)が改善【54歳女性】
今回の患者さまは長身で、覇気のある女性。
お仕事は?とお尋ねすると、数店舗の焼き鳥屋さんの経営をされているのだとか。なるほど、どうりで。なんというか、経営者のオーラが出ている。
詳しく伺うと、どうやら去年の10月ぐらいに無理な体制で無理やり左腕を伸ばし、それがきっかけでどんどん痛くなってきたとのこと。夜間、痛くて眠れない。
春になって楽になってきたような気がする。冬は特に痛かった。そして、毎晩ワインを毎日飲む習慣がある。
毎日焼き鳥を焼いて、スタッフの教育にマネジメント、お店のかじ取り。さぞかし無理がたたったのでしょう。患者さまから、そんな背景が容易に想像できた。
アルコールは湿熱の水。それに夜間、痛くて眠れないという瘀血の所見。疎経活血湯が思い浮かんだ。
でも、冬に悪化し春に緩解している。ということは、まずは温めてみよう。
シンプルにそう考え、苓桂朮甘湯をベースとし15日分。
お出ししてわりとすぐに、肩が上がるようになったー!とお喜びの声を頂きました。
患者さまのお声
漢方薬で五十肩(肩の痛み)が改善するには
痛みの相談が来たらまず考えるのは、いかに「痛みのない状態を作り出すか」。
つまり、どんな時に痛くないのか。どんな時に痛むのか。入浴変化や季節変化、ここを見逃さないことが大切。
そして、漢方薬は血行改善に働きかける薬草がたくさんあります。
桂枝、生姜、当帰、芍薬、川芎など。これらの薬草の辛味が、血管に適度な緊張感を持たせ、血行を促しているのだと思います。
そして、タンパク源(肉)を摂っていて胃腸が丈夫な方には漢方薬が効きやすいという現実。これはきっと漢方薬には食事を血に変換する力があるからだと思う。
漢方薬で五十肩(肩の痛み)の可視化
五十肩の原因にある所見、痰飲。
腕を上げにくい、朝こわばりがある、温めると良い、動いていると楽になる、経過が長い・・・など。
痰飲・・・病理産物。身体に残る、古くなった不要なお水
僕は五十肩の相談が来たら基本的にこれを疑っています。そして辛味のある生薬で肩を温め血行を促し、痛みを止める。要は、どうやって身体の血と水を動かして血行を促すか。
痰飲を病むもの、温薬を以て之を和すべし
この原則に従って、温薬を中心にお薬の内容を組み立てています。
漢方薬で五十肩に対応する
「漢方薬は長く飲まないと効かない」
時々、そんな声を聞くことがあります。
決してそんなことないと思う。改善するまでのスピードは、重要ですよね。
ご相談に来られる方の症状が、なるべく早く症状が改善できますように。そんな願いを込めて漢方薬をおつくりしています。
あとは、どうか無理をしないこと。腰痛もそうですが、重いものを持ったり、身体に負担がかかればまた痛みが増してきます。
痛みが出る、というのは身体から発する悲鳴のサイン。無理をしないことが、一番です。
痛みはなるべく早い段階でなんとかしたい。そんな時に、思い出してもられるような薬局で在りたいですね。
肩が痛くて上がらない・・・。夜も痛くて眠れません