漢方薬の服用で坐骨神経痛が改善【73歳男性】

左右の下肢のしびれて痛みます。特に夜布団に入ってからのしびれがひどくて、何回も起きてしまいます。

この記事では、こういった症状でお困りの方に漢方薬をお出しして、改善できた内容を記載しています。

目次

漢方薬の服用で坐骨神経痛が改善【73歳男性】

  • お困りの症状

「足のしびれ(坐骨神経痛で整形外科に通院していた)、特に夜布団に入ってからのしびれがひどかった」

  • 漢方薬を服用後の体調の変化

「最初の内は変化がなかったが、数回の漢方薬の変更で3ヵ月経過してから、徐々に痛みがなくなってきた。夜も痛みで目が覚めることもなくなった。現在はしびれも9割方治まりに日常生活に支障がなくなった。」

坐骨神経痛の漢方治療

相談者の方は、73歳の男性。

臀部~足先にかけてのしびれ、痛みが去年の11月から始まった。来局して下さったの時期は4月。ここ最近で特に痛みが増してきている。整形外科に通い、内服薬を服用しているが、痛みがコントロールできない。

毎日、一生懸命歩いている。5000歩ぐらいまで歩くと痛みが楽になってくる。

入浴はシャワーで済ましている為、入浴変化は不明。

それから、夜間に確実に痛みが増している。夜布団に入り、毎晩トイレに行った後痛みが出る。痛くて、目が覚める。

ふくはらぎの筋肉をみると、細いがしっかり筋肉がついている。浮腫んでいる様子や、天候悪化もない。

趣味は家庭菜園。毎日畑仕事をしていて、汗をたくさん掻く。食欲もあり、舌も健康的な色をしている。

漢方で坐骨神経痛に対するポイント

痛み軽減してる状態を作り出すには、どうすればよいか。

まず、病理を決める。夜間増悪傾向にあることから、毎日の畑仕事で汗を掻き、陰血を消耗し、陽気の消耗があるのでは…と考えた。

陰を栄し陽気を鼓舞する。芍薬甘草附子湯をベースとし、1か月半。なぜこの方剤にしたかというと、年齢的なことを考慮して、やや消極的だった。そんな気持ちがあって出した薬は、やはり効かなかった。

その後色々工夫してみたが、痛みの頻度は変わらなかった。附子剤が効いていない。そんな感じだった。

もう一度、悪化要因を掘り下げる。

坐骨神経痛の悪化・寛解要因
  • 5000歩まで歩くと楽になる。
  • 夜間に必ず増悪する。

そして筋肉量がそこそこあり、食欲正常。

待てよ・・・この方の陰陽はそれほど虚してはいない。よく考えたら、身体全体にそれほど虚状が見当たらない。

夜間は必ず痛みしびれが悪化する。

この病態は・・・「瘀血」。

瘀血・・・血が体内に瘀滞しているもの

瘀滞している血を駆瘀血剤で動かす。この方は胃が丈夫なので、攻めれる。方剤を折衝飲に切り替え、約1か月。ここで初めて痛みのスケールが10→5になる。

そこから更に1か月半。痛みのスケール1~0.5まで軽減し、痛みが殆どなくなった。夜間、目が覚めることもなくなったと言って、喜んでくださった。

患者さまは「漢方薬は長く飲まないと効かないと思うから、気長に付き合うよ」と言ってくれて、毎回懲りずに来て下さった。本当に感謝しかない。

また痛みが出たら来て下さいと言って、投薬終了となった。

漢方相談で大切なことは「諦めないこと」

薬が効いていないということは、病理を誤っているか、薬草の量が足りないかどちらか。どこに問題があったか、出した薬がなぜ効かなったのかを考え、次の手を打つ。

ありがとう。本当に助かったよ!!

まだまだだなあと思いつつも、症状が良くなった患者さまの笑顔をみると安心する。

次は、どんな症状でお困りの方が来るのかな。漢方相談に来る方は一人として同じ方はいないから、大変だ笑

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